2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

天草西海岸 春の陶芸祭り

「春の」といってもすでに初夏の陽気です。 ここは「内田皿山焼」。松本佳代ちゃんが山菜おこわを売っていたので、山を見ながら昼食。 内田皿山は、木山陶石と一体です。木山姓は、天正の天草合戦(1589年)で討ち死にした木山弾正の血縁でもあります。…

キョンキョンとじいちゃん2

埼玉の団地を出るときは曇り空だった。公園のセミの鳴き声がうるさい。 池袋で山手線に乗り換えた。父さんと母さんは、どこか浮かない顔をしている。今日の空のようだ。シン子だけが新しいリュックを背負ってはしゃいでいる。 羽田も、やはり、曇っていた。 …

雨の日は

竹トンボの色でも塗りますか。 三月と四月は、ヒマさえあれば竹トンボを作っていました。いったい、いくつ作ったかって。まだ、あります。一日に十個作ったにしても、四十日で四百個。たぶん、それくらいはあるでしょう。

下田の怪ばあさん

下田温泉で、湯あがり、ボーとしていたらおれのすぐあとから出てきたばあさんが話しかけてきた。 「どこからきなさった」 「本渡からです」というと、「え?どこだって」と聞き返す。ゆっくり「本渡から」といったら「ああ、そうかい」と分かってくれた。ど…

キョンキョンとじいちゃん1

キョンキョンの夏休み キョンキョンは、小学五年生だ。埼玉で公団の団地に住んでいる。父さんと母さんと小学一年生の妹の未新子(みじんこ)がいっしょだ。 キョンキョンは、京京と書く。だれもどう読むのか知らない。ほんとうは、京が二つで「ケイジ」と読…

春の明かり色々

春は命の輝きの時。 山はそこかしこに明かりが灯ったように見えます。 ツツジの華やかな赤に比べて、こちらは地味な紫。 毎年、この花に出会うのを楽しみにしています。「フデリンドウ」だと以前教わりました。 地面に近いところに咲く花は、紫が多いようで…

現代死語辞典

【命の重さ】 かって、「人の命は地球より重い」といわれた。 今では風船のようにも軽いようだ。イラクやアフガニスタンでテロリストの命が空気よりも軽かったように。 そして日本では、福島をはじめ、東北から関東までの広い範囲で子どもたちは放射線の被曝…

 ネコの居酒屋

アンコとキナコがどうしてもと誘うから行ったのだが、どうも最初からいやな予感がしていた。 「いろいろとお世話になっています」と、アンコがきちんと前脚をそろえて言うものだから、ついうなずいてしまった。 「そうですよ。今夜はニャーと騒ぎましょう」 …

どこから来たのか

どこから なんのために こんなにも生きづらい世に きみはやってきたのか町を歩くきみの姿はさみしく いつもかなしい その姿はすべてを失って 漂浪する 空腹の子犬に似ているきみよ だが 今日があったように明日はない 世の多くの人が 今日があったように明日…

『天草文化協会』というのがあって、年に一回、会誌を出している。 去年の夏ごろに電話があって、詩の原稿が少ないので書いてほしいと依頼された。枚数はこれくらいで、締め切りは九月末で・・・と。書いて出したことも忘れていたこの三月に会誌が送られてき…

失くした帽子

5歳のころの写真と思います。あるいは4歳かも。昭和30年ころです。 写真でかぶっている、この帽子を失くしたのでした。失くした場所は、熊本市内の動物園。 当時、父親の母が健在で、出歩くのが好きなこの祖母は、いろんなところに出かけたものです。ぼ…