2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

週末のパスタ

我が家では週末、たいていはパスタになる。 今日はアサリとインゲンのパスタで、先週は、ミズイカのパスタだった。 そもそも、麺類が好きな家なのだ。そばやそうめん、うどんなどは、パスタとともにどれかひとつ、あるいは全部常備している。 名古屋のきしめ…

髪を切る

この前髪を切ったのは、たしか去年の十月頃だったように思う。 もう、六月も終わろうとしているから、そろそろ八カ月になるか。 最初で最後の床屋に行ったのが、十九の時だったから、この調子で四〇年過ごしてきたことになる。床屋泣かせの人生だ。 それにし…

小さな菜食主義者たち

春にツワブキの根っこを植えていたら、丸い葉っぱがでて、葉っぱは少しづつ大きくなっていました。ところが、先ごろその葉に小さなまだらの点が見え始め、それは日を経るごとに増え続け、今日見たら、葉っぱの全体が虫食い状態。いや、小さな菜食主義者にし…

カエル、あるいは永遠ということ

いいか、真理とは共通項だ。したがって、すべてこの世界が共有するものを刺し貫いていなければならない。真理とは、始まりと終わりだ。誕生と死だ。かたちのあるものは、かならず、そのかたちをなくす。 それでは永遠とは何だ。 おれは思うのだ。永遠につい…

ネコも一匹 人間も一人

ジメジメして暑い 昨日の夜からずっと30℃だ 何とかしてくれ、と与作が言う 内も外も同じじゃないか この家に冷たいところはないのか あんたらはいいさ、いよいよとなったらみんな脱いじまって つるつるの裸になればいいんだから けどさ、おれらは毛皮着て…

  雲を追って走れ

南の方角に雲のかたまり 雲に向かって走るおれは 長い旅から帰ったところだ 朝に出かけて 昼に帰る 長いながい旅から 今帰ったところだ

自分の言葉に規定される

かって、『買った方が安い』という話を書いたことがある。それからしばらくして、ぼくは釣りをしなくなった。当時はまだ釣りをしていた。天草に越してきて二十年近く、ほぼ一週間に一度は釣りに行っていた。そのころ、ぼくは名人と呼ばれていた。手ぶらで帰…

大きくなった与作

与作が家に来てからそろそろ一年になる。 与作は、夜の道でカミさんの車に轢かれたのだった。まだ小さい与作は、口と鼻から血を流していた。段ボールの箱にバスタオルをしき、その上に寝かせた。このまま死ぬかもしれない、と思っていた。その時は、世界一不…

沈黙の海

昔は朝早くから騒がしかったと、漁師の友人は言う。 夜明けとともに先を争って漁船が港を出ていく。エンジンの音がうるさくて寝ておられん。そう言えば、おれも漁師だった。こうしちゃおれん。 友人は、その朝の光景を思い浮かべているのだ。 もう今年で三年…

アブラル・ドナルの憂鬱

乾いた空気と容赦ない太陽は 地上にいくつもの墓標の丘をつくった外にはどんな理由もない 戦争も飢餓も 伝染病も 放射能も 一つの墓標の丘には 三百年の命が眠る 三百年? その間に生まれ 死んでいったもののすべて 生まれて目が開き 父母の言葉を聞き 立ち…