2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

おじさんの黄色いユリ

おじさんは独り暮らしだ。年は65歳。背が高く、筋肉質だ。以前住んでいたアパートが取り壊されることになって、引っ越してきた。うちの裏の6畳一間のアパートに住んで3年目をむかえる。緑のカーテンだといって、東側の窓の下に山芋を植えた。南側の出窓…

おじさんの黄色いユリ

雨の夜の宿題

降り続く雨の音を聞きながら 世界について思う なんとも曖昧で なんにでもくっつく「世界」について たとえばこういうことだ 世界平和というときの世界は 現在の地球上のすべての民族と国家を指すだろう 世界遺産というとき わたしたちは人類がつくってきた …

氷石

氷石(こおりいし)と読む。英語では、フリーザーストーンという。では、これは何か。適当に拾ってきた石を冷凍庫で凍らせる。それだけだ。しかし、これが都会で流行っている。もちろん、今年の夏の節電対策でもある。 適当に拾ってきた石、といったが、実は…

雨の日

雨の日の食事 雨の中 あなたは出かけました あしたも雨の予報です さて 夕食はなにをつくりましょうか キャベツが残っています ニンジンもあります それから 使いそびれている シメジもあります あしたも雨の予報 二人で何を食べましょうか 雨に負けない食事…

太陽と地球のあいだ

さまようわれらは 地上にあり さまようわれらは地表をはなれ 魂はきらめく無数のかけらとなり 太陽と地球のあいだに浮遊し 漂い 地球の重力からも 太陽の引力からも 解放され さまよい とおく ながい時間が過ぎ 少しだけ絶対質量が重い 愛を核に ゆっくりと…

悲しみのアンテナ

今日、19歳の誕生日を迎えた少女がいます。 いえ、少女というのはかわいそうです。友だちに対する心配りなどは、春の日のお日さまのようにやさしく、あたたかく、森を吹きわたるみどりの風のようにもさわやかです。少女は小さいころから特別な子どもでした…

悲しみのアンテナ

知の復権

眠ってから見る夢は 起きてみる夢よりも真実に近い おまえはわたしに問いかける 「知とはなにか。そして、だれのためのものか」 わたしは答える 「知とは、わたしとこの世界をつなぐ橋であり、わたしの存在を証明するもの。そして、知とは、世界の8割の弱者…

知の復権

草刈りの熊五郎

熊五郎は、草刈りが専門だ。村の年寄りたちは、自分で手入れできなくなった畑や山の草刈りを熊五郎に頼む。すると熊五郎は、背中に大きなノコギリを背負い、薙刀のような鎌をかついでやってくる。まったく熊五郎とはよくいったもので、顔中がもじゃもじゃの…

草刈りの熊五郎

メーテルとヨーテル

なに、苓北の哲ちゃんが手に入れた中古漁船の名前だ。 今ついている名前を消して、新しく名前をいれてくれという。そして、キュウリをどさっと持ってきた。いつもながらの現物支給だ。 哲ちゃんは、キュウリとトマトをつくっている農家だ。同時に『苓北火電…