どこから来たのか

どこから なんのために
こんなにも生きづらい世に
きみはやってきたのか

町を歩くきみの姿はさみしく
いつもかなしい
その姿はすべてを失って
漂浪する
空腹の子犬に似ている

きみよ
だが 今日があったように明日はない
世の多くの人が
今日があったように明日もありますようにと願うが
きみはちがうはずだ
きみは今日とはちがう明日を望む

2011年3月のことは記憶に新しいだろう
東北地方を大地震と大津波が襲った
まさに 海は傾き
大地は裂けて咆哮し
大風は 一切をなぎ払った

この時代にきみは生きている
津波の時代
原発爆発の時代に
昨日とは一変した世界にきみはいる
きみが待ち望んだときじゃないか
昨日が再び今日であることはない
あたらしく模索の今日が始まる

きみの力はこの日のために
磨かれ 蓄えられ
しずかにこの時を待っていた
きみの本当の名前は
“TOMORROW―MAN”

連続は断ち切られ
歴史からなにも学ばなかった者たちが
権力の頂点にいる
森は生きていて
海は大きなリズム楽器だ
川の歌に耳を傾けることのない者たちが
地域を牛耳る

きみよ
時の中に足を置け
今日ではなく
明日の時に
そして立ち上がれ
そのためにきみは力を蓄えてきたのだから

きみよ
わたしの息子よ