カエル、あるいは永遠ということ




いいか、真理とは共通項だ。したがって、すべてこの世界が共有するものを刺し貫いていなければならない。

真理とは、始まりと終わりだ。誕生と死だ。かたちのあるものは、かならず、そのかたちをなくす。
それでは永遠とは何だ。
おれは思うのだ。永遠について答えが欲しいなら、風の歌を聴け、と。
おまえら人間は寒いからといっては、上着をはおる。それでも寒いとコートを着込む。
それで?
あたたかくなったかい。


いいか、こういうことだ。
その昔、世界に君臨した恐竜は絶滅した。
おれはこんな話を聞いたことがある。
ローマの武人が、完全無欠な鎧をつくった。どんな槍も通さない、どんな刀もその鎧に傷をつけることさえできない。
しかし、その武人は戦場であっけなく死んだ。鎧が重過ぎて動けなかったのだ。


草の上では風が訪問者だ。
いつも風は歌いながらやってくる。
そして、ささやく。
「あなたはなにを待ってるの?あなたがそこにいられる時間は短いのに」


そうだ、たしかに短い。
しかし、おれらは瞬間を永遠に変えるのだ。


季節がいくつも巡り、嵐がいくつも過ぎて、見てみるがいい。
おれは、やはりここにいる。