小さな菜食主義者たち

春にツワブキの根っこを植えていたら、丸い葉っぱがでて、葉っぱは少しづつ大きくなっていました。ところが、先ごろその葉に小さなまだらの点が見え始め、それは日を経るごとに増え続け、今日見たら、葉っぱの全体が虫食い状態。いや、小さな菜食主義者にしゃぶられて、ほとんど涸れる寸前。



おれらは闇夜に生まれた
湿度90パーセントの湿った大気
卵の殻は水を含んでやわらかく
前脚で簡単に破れる
足もとに草の匂い
おれらは ゆっくり食べ始める
緑の色は草の色
自然の連関?
そんなこと 知ったことか
生きる理由?
考えたこともない
おれらはここで大きくなり
やがて 広い野原に飛び立つ
それから 広い野原の草を食べつくすころには
秋の風が吹き始める
おれらは掟に従い
新しい季節のための準備に入る
古い季節のすべてが死に絶え
木々は葉を落とし
冷たい風が地表を覆うころ
おれらの新しい季節は
静かに始まっている