災害列島

むかし、中学生の時だ。憲法の勉強をした。 夏休みの宿題が、憲法の全文をノートに書き写すことだった。憲法の中に「軍隊はこれを保持しない」とあった。ちょっと待て、自衛隊は軍隊じゃないのか?素朴に疑問に思った。 そのあとにぼくが思ったのは、自衛隊…

台風被害

台風19号がまた関東を襲う。 千葉の被災地がまたまた被害に合う。 今日、空気がヒンヤリとしてきた。これは、大陸の高気圧が勢力を強めている証だ。台風は東寄りに進路をとるだろう。12日土曜日が関東襲来の時となるだろう。台風の進路の右側にあたる伊豆…

ぼくの吃音

ぼくは吃音だった。普通にしゃべっているときはまだいいが、あらたまった場ではもろに出た。最初の音が出てこないのだ。そんなぼくが、中学の3年間を通して「級長」だったのだ。一番困ったのは、学校あげての防災訓練のときだ。サイレンが鳴る。生徒は校庭に…

知の系統樹

中学生のとき、はじめて「進化の系統樹」の図を見た。 海の中で生まれた命が、何億年という時の中で分化し、さまざまな種に枝分かれしていくというあの図。中学生のぼくには、なぜか感動的でさえあった。 中学の頃、ぼくは学校の校門を出るとまったく勉強し…

島原幻想

霧に浮かぶ島原と雲仙普賢岳。 その普賢岳は今から30年前に爆発した。山頂付近に溶岩があふれ、盛り上がり、ある時溶岩の塊が山腹を流れ下った。火砕流と言われるものだ。消防団の人や市民、それに火山研究者の方も亡くなった。 ぼくたちが天草に引っ越した…

不安定ということ

8月17日、東京で暮らす娘が、調査旅行のはじめにまず、我が家に来た。 4泊して、先日、島原へ行く娘を鬼池港まで送っていった。鬼池と島原・口之津の所要時間は、約30分だ。両港を同時に立ったフェリーはほぼ中間点ですれちがう。娘は10時45分発のフ…

八月に

八月になった。 今日は、74回目の広島原爆の日。 このあと、長崎原爆の日が来て、15日の敗戦の日と続く。 しかし、ぼくの中ではここで終らない。 1979年9月9日、当時住んでいた埼玉県で、一人の在日少年がマンションから飛び降りて自殺した。間も…

バンカラということ

先日、車の運転中に、吉田拓郎、詩・曲の「わがよき友よ」が浮かんできた。 かまやつひろしが歌っていることが多かったとも思う。 ♪下駄を鳴らしてヤツがくる 腰に手ぬぐいぶら下げて 学生服にしみ込んだ 男の匂いがやってくる 以下はバンカラについてのぼく…

第36回天草環境会議

環境会議がカウントダウン段階になった。 ぼくは先週の末から苓北へ通って、回数と日付の書き換えをしている。 結構数が多いのだ。道路端に三か所、これは二枚を組み合わせて立てる。建物の壁につける横型のものが三枚。 Aコープに一枚。会場入り口の看板と…

蛾の重さ

夕べ、どこからともなく蛾が舞い降りてきた。 蛾は、羽を震わせている。なにかを必死で訴えているようでもある。 なんだろう?なにを伝えようとしているのだろう? そういえば、以前書いた虫の詩があったな、と思った。 詩集『見えないところで』より 遊ぼう…

野草の名前

たとえば、タンポポはなぜ、タンポポというのですか?と聞かれても困ってしまうでしょう。では、オオバコは?ユキノシタは? 6月も半ばを過ぎたこの時期、咲いている野の花はそれほど多くはありません。 そこで、この花です。2年前に家の下の道端から採って…

クワガタムシのばか力

水が入った洗面器にクワガタムシがはまって出れないでいた。 この洗面器、包丁を研いだり、ナイフを研いだりするために常時水が張ってある。 ぼくは、人差し指をクワガタムシのお腹のあたりに差し入れて、そっと持ち上げた。 その瞬間、クワガタの角が、ぼく…

石書き 再び

以前に書いた石書きを出してみた。 これを書いたのは、7,8年前だろう。市内の小松原にいたころだ。石を拾ったのは、新和町の海岸。 一度だけ五和町の陶芸家の庭先で展示販売したことがあった。そうそう、その時、ダルマと一緒に豚を飼いながら彫刻もやる…

フリフリ音頭

夏には選挙があります。 夏はまた、盆踊りでもあります。 今年の夏はこれでいきましょうか。 フリフリ音頭 あぁ、フリ、フリ、フリ、フリ で、で、できないじゃすまされぬ暮らしをまもる人権と平和をまもるフリだ、フリだ人はフリにだまされるそれ、フリ、フ…

楽しいことを考えよう

11月の大陶磁器展への出展締め切りが、明日10日に迫った。 応募用紙には作品の写真添付の欄があって、今日、この写真を撮ったところです。 それにしても、と思います。 朝がくるのが待ちどうしくて、わくわくして起きたことが何回あっただろう、と思いま…

虫の季節

5月になった。 命輝く新緑の季節だが、すでに虫に二回刺された。 最初は右手の小指の先。外で作業するために手袋をつけた。ヤツは手袋の中の小指の先にいた。多分、蟻だと思うが姿は確認していない。見る間に右手の甲がグローブのようになった。それは夕方ま…

雲母

岩石の種類の一つで「雲母」というのをご存じだろうか。 薄い層が積み重なって、一つの岩石を作っているものだ。 その薄い層の一枚には、10年、100年が凝縮される。それは、100万、1000万の命であるのかもしれない。 わたしたちは、人とは何か、と問い続けて…

イチミサンザン

なに、今日の夕方いつものスーパーでの買い物です。 今夜の夕食のカレーのルーとカミさんのためのヨーグルトとビスケットを買ってレジに行ったら、1333円です、といわれ、おもわず「イチミサンザン」ですか、と言ってしまったのでした。レジのおばさんはポカ…

タヌキ食堂、その後

食堂にやってくるタヌキは四匹とばかり思っていた。 ところがいつの間にか増えて、少し前から六匹になっている。 タヌキは、家族で行動するのだと聞いたことがある。一回り小さなタヌキは、子どもなのだろう。 六匹もいたんじゃ、これまでの量では足りないだ…

ヤモリ見参

今日、ヤモリが現れた。 朝の気温は10℃以下だが、日中は20℃近くになる。 ヤモリにとっての長い夜が明けた。 では、ヒトにとっての長い夜はいつ明けるのだろう。 もう、100年も200年も私たちは明けることのない夜の中にいるように思える。 光の中へとヒトが出…

談合島

集まって話し合うことを談合という。 その昔、この地方では一揆があった。島原・天草のキリシタンの乱とも一揆ともいわれる。1637年のことだ。 そのさいに島原方と天草方が集まって協議をした。この島は天草、島原の中間点に浮かぶ。父親の世代までは、この…

手羽先の先丼

今夜のタヌキ食堂のメニューです。 どんぶりに飯をよそって、昨夜のサバの味噌煮の残った煮汁をかけ、今夜のうどんのダシに使った手羽先の先をのせる。それだけです。 ただ、タヌキは待っているのです。どんぶりを持って表に出ると、小枝の触れ合う音がして…

止まる

3,4日の間、壁の同じ場所にとまっていた蛾が床に落ちていた。 拾って写真を撮った。 動き始めたばかりの春の中、止まってしまった命を思う。 わたしたちは、命のつながりについて何も知らない。 そのことを恥ずかしいと思う。 せめて今夜は止まってしまった…

動く

いよいよ春が動き始めた。 しかし、春はずっと準備していた。たとえばスミレは、冬の太陽の光を集めて、白い地下茎を伸ばし、タラの木は、そのトゲの先端で極微細の光の粒子を数えていた。 動く、とはこういうことだ。

タヌキ食堂

今年は春が早い。 ウグイスの初鳴きは、2月25日に聴いた。 桜が咲くのも早いだろう。キリシタン公園の桜のつぼみも膨らんでいるようだ。 チビスケは陽だまりを見つけては、寝てばかりいる。 問題は、タヌキだ。 夜8時ごろのタヌキの食事が恒例化してきた…

春霞

さあ、春ですよ。 どこか遠いところからささやく声がする。 これから先、どんな春を過ごし どんな夏を迎え、どんな秋を待つのか。 それにしても 春はかなしい。 厳しい冬を懸命に生きた命が力尽きるのが、春だから。 春霞は、生と死の境界をも あいまいにし…

潮騒

地域の雑誌(年一回発行)に『潮騒』というのがあって、ぼくもこれまでに幾度かつたない詩をのっけてもらった。 先日、『潮騒』の編集委員をやっている知り合いから、詩を出してくれないかと電話があった。ぺージが余っているのだという。来週の水曜日くらい…

『華氏911』

マイケル・ムーア監督の『華氏911』を久しぶりに見た。 見ながら、これは最近の、この国の状況に似ていると思った。国民を不安な状態にさせる。貧困家庭の子どもたちを軍隊へと導く。 世界には、富裕層と貧困層がいて、そもそも貧困層の人の命を命と思わない…

 占い師聞き書き

2019年になりました。 おめでとうございます。年頭からアベのウソの洗礼を受けてしまいましたが、お変わりありませんか。 まったく、ウソよけ帽子やウソよけコートが必携になりました。 でも、いましばらくの辛抱です。わたしの占いでは、遅くとも来年の3月…

 時間と時と

まもなく2018年が終わる。 地球が太陽を回る。一周して一年だ。 ぼくは、1951年の生まれだ。生まれて10年ほど経ったころに思った。「2000年までにまだ40年ある」と。 しかし、まもなく2019年になる。 それからしばらくして、明治維新から100年だと言われた。…