2013-06-02 アブラル・ドナルの憂鬱 詩 乾いた空気と容赦ない太陽は 地上にいくつもの墓標の丘をつくった外にはどんな理由もない 戦争も飢餓も 伝染病も 放射能も 一つの墓標の丘には 三百年の命が眠る 三百年? その間に生まれ 死んでいったもののすべて 生まれて目が開き 父母の言葉を聞き 立ち上がり 初めて自らの手で食べた 命の一つひとつ 墓標の丘は 三千億個の砂粒からなり 丘は連なり 太陽は照りつけ 乾いた風が砂を運ぶ まったく 外にはどんな理由もない 戦争も飢餓も 伝染病も 放射能も