街中ギャラリー『あやかし堂』



彼は、もうどれくらい妖怪の絵を描き続けているのだろうか。
なぜ、妖怪なのか。
『男喰い(めんくい)』とタイトルがあった絵には、男を飲み込む妖怪女が書かれていた。

しかし、と思う。
これは私たちが生きている世界そのものではないか。

多分、こういうことだ。
魑魅魍魎が跋扈する世界に私たちは生きている。妖怪「アベ」は、放射能は完全にコントロールされています、と世界に向けていった。これ以上の妖怪はいない。

妖怪絵描きの松本君は、今日もにこやかに妖怪を描く。

「ほら、僕らが生きている世界は、こんな世界」