うちのカミさん

 5年ぶりくらいにトースターを表に出して掃除してた。5年分のパンくずが出てきた。その最中、お尻にチクリと痛みを感じた。アブだった。ズボンの上からだったし、大したことはないだろうと思っていたら、次第に痛み出し、腫れてきた。午後3時くらいのことだ。

 尻が痛いな、と思いつつもシャワーを浴びて布団に入った。これが12時前。
 首に痛みを感じて飛び起きた。ほぼ同時に隣で寝ているカミさんも起きた。
「ムカデよ!肩をかまれた」カミさんが叫んだ。タオルケットをめくると、足元のほうへ逃げていくムカデが目に入った。7,8センチのそれほど大きいやつではない。カミさんがタオルケットの端でムカデを押さえつけている。
「なんかちょうだい」
「なんか、って何よ」
「雑巾とか、ティッシュとかよ」
 カミさんは、ティッシュでムカデを改めて押さえなおし、それを二つに折り、さらに折ってつぶしてボミ箱へ捨てた。
 これが午前1時半ごろ。
 
 こう書くと、いかにも残酷・非情なカミさんのように見えるが、そうではない。ふだんは、
   やれ打つな ハエが手をする 足をする
 の世界に生きている。
 
 つまり、こういうことだ。
 自分と自分の家族に対して直接危害を加えるものに対しては、敢然と立ち向かう。これは権力に対しても同じだ。
 民衆を甘く見るなよ、アベ。

 写真は、朝顔ムラサキツユクサと畑のゴーヤ。