雨の長期予想


気圧配置が梅雨時のそれと似てきた。
太平洋高気圧の勢力が、いまいち弱いのだ。
この気圧配置のままだと、西日本は雨が続くことになるし、もしも台風が日本に近づくと、台風は直接本州に向かうことになるだろう。



地球はとうに天変地異の時期に入ったのかもしれないと思う。

自然現象ばかりではない。パレスチナで、リビアで、ウクライナで残酷な殺戮は続く。
人間は、少しは賢くなったのではないのか。
暗鬱な夏が続く。

こんな中、古いハガキを整理していたカミさんが、
「こんなのがあったよ」と渡してくれた。


   『早々、便りありがとう。
    今、雲仙ニュースを見るたびに
    近くにいる貴君はいかにと思います。
    生活、落ち着きました?
    子供はいかに?
 
    漂浪の旅で日々過ごします。
  
     前川 清 五十六歳。』


前川清は、『思案橋ブルース』の前川清ではない。埼玉のころ、たまたま同じ会社で働いた、大事な友人の前川清だ。
「六十になったら年金がもらえる。そしたらバイクで天草まで行くから」
まもなく彼は六十になるはずだった。
でも、それがぼくが聞いた彼の最後の言葉となった。彼は、六十を前に死んだ。心筋梗塞だったと聞いた。十一月、防波堤で夜釣りをしていたぼくは、北西から南東へ流れる大きな流れ星を見た。


無力な人々の対極に、金と強大な権力を持つ人間も、また、いる。
どう反撃しようかと、今夜も尻切れトンボの作戦を練る。