ツツジの花のテンプラ
ツツジの花を見ていたら、これは食えるのではないかと思えてきた。見て楽しむばかりではなく、食べても楽しむ。
やらずばなるまいと思えてきた。毒見に花の一つをちぎって口に入れた。ほのかな甘い香りが広がる。これはいける、と確信した。
ツツジのほかに柿の若葉、ヨモギ、オオバコ、カラスノエンドウ、キランソウも採取した。山菜尽くしの、しかも際物ぞろいのテンプラだ。
ツツジのテンプラには、カミさんもムスコ君も引いた。
天草に来てまもなくのころ、フグを釣って刺身にしたことがあった。最初、家族の誰も食べなかった。しかし、2回目、3回目となるにつれ、少しづつ食べるようになった。やがて、我が家では天草で獲れるほとんどの種類のフグを食べたのではなかったか。
ツツジのテンプラも同じことだ。
「レンゲツツジには死に至る毒がある、とあるよ」とムスコ君。
今日のツツジがレンゲツツジである確率は一万分の一。レンゲというからには花弁が細く分かれているのだろうと思う。
結局、ツツジはムスコ君が一つ食べ、カミさんが二つ食べて、残りの大半はぼくが食べた。
今度またやろう。タラの芽と一緒に。