雨の一日

軒下でトンボを作っていたが、雨が降りこんでくるし寒いので早々に切り上げた。タンスから長そでのシャツを引っ張り出した。
ならばと、部屋に座り込んでトンボの色塗りをやっていたが、やはり寒い。温度計は20℃ちょうどから動かない。
パソコン画面で天気を確認する。九州の南に弱い台風7号があって、東に進んでいる。台風の北側には梅雨前線が長く伸びている。夕方近く、屋久島、種子島あたりが激しい雨となっている。九州付近は明日の午前中まで雨の予報だ。いよいよ本格的な梅雨の時期となった。


そして、六年前も雨が降っていた。



散歩2



二人が歩く
歌いながら

フォォーイ、フォォーイ

雨の舗道を サンダル履きで
一人は右に
一人は左に傾きながら
二人は歩く
歌いながら
雨に滑りながら

フォォーイ、フォォーイ


二人が夢見ていたのは
小さな喫茶店
コーヒーの香りあふれる店内
香りは舗道にまであふれて
  夢、消えちまったよ
  夢、つかもうぜ

小さな喫茶店の会話は
テーブルにかすかなしみを残し

フォォーイ、フォォーイ


  祈ることしかできない
  と彼女はいい
  待つことがすべてさ
  と彼はいい


二人が夢見た喫茶店は夢の中で分解し
二人は濡れた歩道を歩く
一人は右に傾き
一人は左に傾き
つまり、肩寄せあって

 フォォーイ、フォォーイ