タヌキネコ
このネコ、エサをねだりにやってくる。お腹が大きい。出産の日が迫っているように見える。
ある夜、タヌキのエサ場のあたりで初めて見かけた。懐中電灯で見て、小さいタヌキと思っていた。翌日の昼間に再び現れた。そこで初めてネコだと分かった。
「タヌキネコ」、それがこのネコの呼び名だ。
それはあんまりだからと、「ターキー」はどう?と言ったら、すかさずカミさんが
「昔、そんな女優さんがいたわね」ときた。そう、いたのだ。ぼくもターキーと言った瞬間、思い出していた。ターキーは水之江滝子といったか。名前の漢字はあやふやだが確かにいた。
「いっそ、おタキさんは、どう?」
「♪いきなくろ塀 見越しの松に、と歌いたくなるよ」
「それは、おトミさんでしょ」
タヌキネコの写真をもう一枚。