大潮

 少し霞がかってはいるが、好天。気温25℃。
 潮が引いた砂浜は、潮干狩りの人で賑わっていた。
 ここ何年かは、マテ貝がよくとれている。マテ貝というのは、細長い二枚貝だ。これをとるには、鍬と塩があればいい。まず、鍬で砂の表面を薄くけづりとる。マテ貝の楕円形の穴があったら塩を入れる。待つこと十から二十秒。楕円形の穴の水位が上下してマテ貝が顔を出す。そこをすかさず捕まえる。ベテランは、自分の周囲に放射状に鍬を入れる。そして順番に塩を入れていく。頭を出したところをリズミカルに抜き上げていく。
 

 この干潟の上の人の大半は、マテ貝が目当てだろう。
 
 今日は大潮で、満月。

 四月も終わる。