クワガタムシのばか力

水が入った洗面器にクワガタムシがはまって出れないでいた。

この洗面器、包丁を研いだり、ナイフを研いだりするために常時水が張ってある。

ぼくは、人差し指をクワガタムシのお腹のあたりに差し入れて、そっと持ち上げた。

その瞬間、クワガタの角が、ぼくの人差し指をはさんだ。はさむ力がだんだん強くなっていく。握力測定を思い出してほしい。中学時代の記憶では、右が30㎏、左が25㎏だったと思う。クワガタの角は5から10、10から15㎏と強くなっていく。あわてて引き離そうとしたが、脚が、これまた、人差し指をしっかり捕まえていて、こちらも相当の力だ。やっとのことで引き離した。人差し指の先端からは、血が流れた。

それにしても、なんという力だ。

こんなのが100匹も集まって力を合わせたら、かなりの大木でもへし折ってしまうのではないか。

人差し指に絆創膏を巻きながら、なぜか、山本太郎を思った。

 

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