6月4日のこと


子どものころ、6月4日は「虫歯予防デー」だった。それから6月10日は、「時の記念日」だったか。その「時の記念日」を待ちわびるようにして、今日、時計草が花を開いた。



この時計草、もう10年以上前に植村先生からもらったものだ。
「絵を描けば」
そう言って、植村先生は目の前の時計草の花をバシッと折っってぼくにくれたのだった。
家に持ち帰ってコップにさしておいたのを覚えている。ところがなかなか萎れないのだ。もしや、と思って庭に植えた。そしたら根づいて、4〜5年たったころ、花をつけた。有明町に住んでいたころだ。
本渡の街中に引っ越す際に、枝の一部を鉢植えにして持っていった。有明町には8年、本渡の街中では6年暮らした。

今年、時計草は有明町以来の花をつけた。


6月4日に戻ると、ぼくは「ロクデナシの日」と呼びたいと思う。
やはりそのころに書いたものにこんなものがある。

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PBPの夏


 まもなく参議院選挙の投票日です。
アベさんはじめ、各党の党首、候補者が、暑い夏を全国走り回っておられます。
けど、なんか、しっくりこないんですわ。それがなんでかなぁ、と考えました。わしが考えた結論は、どっちに転んでも、権益に群がる人間の顔ぶれがすこしだけ変わるくらいで、われわれの声の代弁者じゃない、ってことです。
PBPという政党が旗揚げしたの、知ってはりますか。
 知らんでっしゃろな。まだ旗揚げして、二月ですさかい。派遣社員ワーキングプアゆう言葉、聞いたことありますやろ。
働けど 働けど 
わが暮らし 楽にならざり 
じっと手を見る  
こう歌ったのは石川啄木です。
楽になるどころか、どんどん蟻地獄に落ち込んでいきますんや。もう、自力ではどんなあがいても這い上がれん。啄木の時代とちがうんは、そんな人間がぎょうさんいてはるんや。わてもそのうちの一人だす。

そこで、PBPの登場です。
TPPなら知ってる?ちがいます、ちがいます。ほれ、階段を一歩づつ登ることを「ステップ バイ ステップ」といいますやろ。そのノリで、「プア バイ プア(Poor by Poor)」ですわ。それを略してPBPといいます。貧乏が原点です。
 党名については、いろいろ候補がありました。たとえば、日本貧困党、貧乏党、それに日本困民党もありましたっけ。けど、圧倒的な若者の支持に推されましてな、プア バイ プア、PBPという横文字に決まりましてん。
「維新の会」、「みんなの党」、なんですか、あれは。

 ところで、PBPの最初の大会が先の6月4日に大阪でありました。6月4日は、虫歯予防デーということになっています。ところが、読み方を変えれば、6月4日は、「ロクデナシの日」とも読めるさかいに、この日に決まったそうだす。
 いいえ、みんなは捨て鉢で「ロクデナシ」ゆうてんのとちがいますで。
落ちるところまで落ちた、もう、落ちることはない、あとは上るだけやゆうて、えろう威勢よかったようだす。

大会ではPBPの公約が採択されました。
第一は、冬の寒さ対策に毛布2枚を無料支給すること。
第二は、全国のコンビニに通用する無料アンパン・カップ麺券を配布すること。
第三は、貧乏の度合いに応じて、公務員として優先採用すること。つまり、貧乏度が、公務員の採用条件です。
それから徹底したワークシェアの実施です。役所であれば、三時間が一人の労働時間です。これまで一人でやってきたことを三人でやる。時給千円として、三時間で三千円になります。段ボールハウスの住人にとって、一日三千円の固定収入は大きい。「健康で文化的な生活」とまではいかなくても、そこには人との触れ合いの時があります。文化的な生活は、近い将来実現されるでしょう。

実は、これ、五年前の衆議院選挙のはなしです。その後、2011年の東北大災害と福島原発事故が起こりました。いま、PBPが最も力を入れているのは、福島をはじめ、東北、関東からの避難支援です。
国が認めた避難指示区域からの避難には避難手当てがでるが、それ以外は『自主避難』となり、一切の金銭的手当てはありません。



PBPではいま、10円カンパを集めていますのや。とにかく、一人でも多くの人にPBPのこと知ってもらわんとあかん。10円で2枚のチラシがコピーできます。その2枚を大事に持って、次の人にお願いするんですわ。
なんせ、貧乏人の集まりでっしゃろ。まとまったお金がない。それならゆうことで、10円作戦ですわ。ところが、はじめてみてびっくり、この10円作戦、お金がない弱点をカバーして、なお、おつりがくるような大成功でしてな。そやからあんたんとこにも近いうちに回ってきますで。いや、わてやありまへん。思いもかけない人がPBPのチラシもってきよります。
そんときは、一つよろしゅうたのみます。