引っ越し、いよいよ終盤

およそ七割の荷物の移動が終わった。
実質あと一日。最後の日は、この家の掃除にあてる。

残ったものは、食器類、食器棚、冷蔵庫、机、周辺の雑多なもの。


それにしても、と思う。
物が多すぎるし、ぼく自身、物を作ってきた人間の端くれにいる。
身軽に生きるとはどういうことかと思う。


風のように生きる、ことがぼくのテーマだった。

「風の棟梁」は屋根の上できりきり舞っていたし、回転しながら見、見たことを記憶した。

それはこんな詩だ。



風の棟梁


北風から五寸角の柱を切り出せ
南西の風からは 八分の板だ
東風は 一寸五分に割く
楠や柿の木や百日紅の木の上で
つむじ風がホウと答える
梁は西風を使う
屋根は北西の風を引っぺがせ
ホウ ホウ ホウ


風の棟梁は 樫の木の上で回る
わしらは一切を見てきた
見た一切を記憶した
その記憶のための家だ
これまでの記憶をそこに置き
身を軽くして再び飛び立つ
冬までには完成させよう
ホウ ホウ ホウ ホウ


さて、この後、しばらくの間ネットが切れます。
復活するのは、4月5日ということ。

もっとも、ぼくは4,5,6と阿蘇へ行ってきます。