チビスケチビスケ2

  
 まったくチビスケは変わったネコだ。流れる水が好きなのは(1)に書いたが、最近、遊びがエスカレートしている。おれの腕にしがみついて、袖口にかみつく。おかげでおれの手の甲は、傷が絶えない。
 食べ物がまた、変わっている。魚が好きではないようなのだ。チビスケが好きなのは、スルメ、ホタテ、アサリだ。味噌汁のアサリなどは半分をチビスケが食っている。
 表に行っても、庭をぐるりと一回りして帰ってくる。表には白と黒の巨大なネコが徘徊している。チビスケなどハナから問題にならない。
 

 ネコは言葉をしゃべらない。ネコ語がもしあったとしてもごく単純なものだろう。
 「メシをくれ」
 「ねむい」
 「あそびの時間だよ」
 「寒いと思ったらコタツのスイッチ、切ったな」
 「もう、ねよう。枕にねるからあんたはそっちいって」
 こうしてチビスケはカミさんの枕を占拠するのだ。
 

 困ったネコだが、かわいいネコだ。