じいちゃんの展示会


じいちゃんの展示会の日が近づいている。
最近、頭を抱えるじいちゃんの姿を見ることが多くなった。
じいちゃんは、海から流木を拾ってきては、いろんなものを作っている。知り合いの陶芸家から「陶芸祭りに合わせて展示会をしませんか」と誘われた。それで、いろいろ作っているのだが、なんせ、はかどらないのだ。
流木を組み合わせて、たとえば机をつくる。机一つ作るのに、夏休みが終わってしまった。先月、頼まれて作った机などは、2カ月かかっていた。
今、うちにあるじいちゃんの作品は、小物も入れて12,3点だ。せめて20はほしいとじいちゃんは思っている。
頭を抱えている間につくれよ、と言いたくなる。
そうかと思うと、ふと、いなくなる。
「テーブルの脚を探しに海に行ってくる」
こんな具合だ。


展示会は、10月6日から始まる。