もうまもなく東の空が白々とするころ
二十五夜の月は
ようやく中天にさしかかりました
まわりには たくさんの星も輝いています
満月が
夜空のすみずみにまで
光の兵士をおくり
夜の世界をすっかり平定するのに対し
二十五夜の月は
たくさんの星たちといっしょです
まるで こういってるようです
「ほら もっと輝きなさい
わたしのちかくで そしてとおくで」
やがて朝日がのぼり
二十五夜の月は 西の空
刈り入れの終わった田んぼでスズメたちを見守ります
それから 蝉たちの合唱が最高潮に達するころ
しずかに しずかに消えていきます
おそらく だれよりも
満ち足りた顔をして