まだまだ、暑い 


天草は、まだ暑い。
この執拗な暑さは、3選に執着するアベのようだ。

写真は、今日の雲仙普賢岳


  

     漫才「ゾワゾワ」

   「暑さ全開でございます。地獄のふたも全開でございます」

「おい。聞いてくれ」
「なんや。ネコが風邪ひいたか?」
「ちがうわい。昨日、食堂に行ったのよ」
「ふん、ふん。それが、どないしたん?」
「それが、みょうちきりんな食堂でな。なんかおかしいのだ」
「なんかって、なんや?」
「そこがうまく説明できない。経験ないかなあ、玄関に入った途端にゾワゾワとするようなところ」
「お化け屋敷か」
「それが、食堂なのだ」
「わからんな。たとえばやな、ウェイトレスがよぼよぼで歯のないおばあさんだったとか、コックさんが厨房で青竜刀を研いでいたりとか」
「ちがう。ウェイトレスは丸顔のにこやかなおばさんだ。コックさんも真面目そうなおじさんだ」
「じゃ、あんたのゾワゾワのもとはなんや」
「なんだろう。それを考えているのだ」
「それじゃ、初めから考えてみましょか。あんたは食堂へ行った。にこやかなおばさんがやってくる。いらっしゃいませ。なんにいたしましょうか」
「そうだ。メニューだ。メニューは壁にかかっております、ときた」
「ほう。どないなメニューでしたん?」
「まず、“チャイルドランチ”とあった」
「チャイルド、横文字でんな。なかなかシャレた食堂やおまへんか。それで、ほかには?」
「マドモアゼルランチ」
「ちょっと待て。普通はレディスランチとか言うんやないか。ま、いいわい。ほかには?」
「ジェントルマンランチ」
「なんか、こう、頭がこんがらがってきたな。ま、いいわい。ほかには?」
「ジジババランチ」
「なに?」
「だから、ジジババランチ」
「もろ、ストレートやな」
「そう思うだろう。だから、おれもにこやかなおばさんに言った。ジジババはあんまりと思います。。せめて、シルバーランチとかに名前を変えたらどうですか、と」
「中身はおんなじでもシルバーの方が響きはいいわな」
「そしたら、にこやかなおばさんはちょっと考えてから“ゴールデンランチ”と書きかえた」
「シルバーじゃなくてゴールドか。そら、相当レベル高いな。にこやかなおばさん、ただものじゃないな。わかった。そのにこやかなおばさん、相当のひねくれものや」
「そう思うだろう」
メニューはまだある。“五丁目ランチ”だ」
「なんだ、それ?」
「五十代の方におすすめ、とある」
「じゃ、六十代もあるんか?」
「ある。四丁目ランチだ」
「そ、それじゃ、七十代は?」
「三丁目ランチだ」
「八十代は、二丁目ランチか?」
「そうだ。それで九十代が一丁目」
「おい。だんだん近くなってるやないか」
「わー、近くなってる」
「おれも背中の辺がゾワゾワして来たわ」