We will win.

獣医の悟郎さんがチビスケの予防注射にやってきた。
チビスケは家の裏の草むらで寝ている。抱き上げて玄関まで来たら、異変を察知したチビスケが猛烈に暴れだした。腕を何か所もひっかかれて血が流れた。消毒薬をつけていると、
「まず、水で洗ったほうがいい」と悟郎さん。さすがに医者だ。
その悟郎さんが、加計学園の問題について熱く語り始めた。

今治市につくる加計学園獣医学部は定員160名だと。とんでもなか。わしは宮崎大学獣医学部だったが、同級生は16人だったぞ。東大でも10人だ。それが定員160人なんて、とんでもなか。

獣医学は生物学の基礎の上にある。そして、この獣医学を土台にして医学がある。教官は、学生一人に対して二人つく。だから、必要な経費も膨大になる。わしらの時代でも農学部全体の予算の三分の二を獣医学部が使っていた。MRIというのがあるじゃろ。牛一頭が丸ごと入るMRIなんて、金額の想像もできん。

岩盤規制に穴をあけたというが、そもそも岩盤の意味が違う。獣医師会がいうように、獣医師の数は足りている。何が問題かというと、地方に獣医師が足らないのだ。天草には獣医師は三名だ。その三名が、一日200キロを走り回る。それで報酬はタクシー運転手にも満たない。

諸悪の根源の一つは、町村合併だ。わしの息子も獣医師だが、わしが強く進めて、合併後、今から10年前に熊本市内に開業した。岩盤というのは、地方で開業する獣医師の報酬を低く押さえつけていることだ。これさえなくせば、地方にも獣医師はやってくる。

ところで、今話題の前川喜平という人だが、小泉内閣の時に町村合併に真っ向から反対したのだ。彼は、先が読める。」