オオイヌノフグリ


当時、埼玉の団地に住んでいた。
娘はまだ3歳か4歳で、団地に隣接する保育園に通っていた。そ、上野台保育園というところだった。
ちょうどこんな時期、庭に出た娘が叫んだ。
「あっ、オオイヌノフグリだ」
その言いようがおかしかった。周りにいた大人はあっけにとられ、それから大笑いとなった。

あれから35年が経った。
畑の隅では、今年もオオイヌノフグリが小さく鮮烈な青色の花をつけた。

タラの木は、まだ冬眠中のようだ。