35回目の頌徳祭
松本豊秋さんが、苓北火力発電所の建設に対して、抗議のハンガーストライキで亡くなってから36年が経った。
そう、みんなが若かった。当時、30歳だった若者が、66歳になった。なんということだろう。
青年部のリーダーだったテッちゃんは、心臓病の薬を飲み、膝が痛いと言っている。
漁師のタジマさんは、白血病と戦っている。ミカン農家のシゲキさんは、眼病のためにサングラスが手放せない。
寺崎さんは、高校の英語教師の退職を早めて県議選に立候補したが、惨憺たる結果だった。そのテラさんが、84歳だと。
35年の歳月は、人間にとっての時間としては、長い。
しかし、これを見せられると私たちの力のなさを認めざるを得ない。
「それでも私は頑張りました」と、地獄の閻魔さまの前で釈明するのか?
そんなことに関係なく、花は咲く。
種は無数に、なお軽く、落ちたところで芽を出す。
習うべきは、この雑草の生き方ではないのかと思う。