山の中の看板

退職してから、在職中にもまして自然観察と保護を専門とするようになった友人から看板を依頼された。
山の中に観音堂があって、近くに小さな渓谷がある。

この渓谷を中心にして100メートル四方に写真のような看板を3つ建てた。
看板を建て終る頃、
観音堂の裏の岩に文字が彫ってあるんだ」と友人。

なるほど文字らしきものが彫ってあるが、意味不明だ。
表に回ると、説明文があった。

どうやらこの場所は修験の場だったらしい。

修験の場が観音堂となり、さらに歳月を重ねて今、こんな看板を建てる。
その私たちは人間の歴史の中の、どの部分にいるのか、と思ってしまう。
多分、終わりの方だと思うが…。