コンビニ戦争


 コンビニが領地を争っている。地方都市が、コンビニ戦国時代の観を呈している。
人口五万人弱の旧本渡市内に、ざっと数えただけでもコンビニが13。どう見ても異常な状態だ。
 今年になって「ローソン」が二店舗開店した。「セブンイレブン」ができたのは去年だったか。四、五年前にオープンした「ファミリーマート」は、すでに老舗の部類だ。内紛続きだった「ディリーヤマザキ」は、別の店として衣替え中である。
 それにしても、問題なのはそこで働く従業員だ。コンビニは、基本24時間営業だ。従業員には、一日24時間のうちの担当時間が割り振られる。
朝が来て、陽がのぼり、初夏の天草を温めた太陽が西に沈み、夕方を経て、夜になる。しかし、一日は連続したものではなくなり、分断される。それぞれの従業員の額にはシールが貼られる。あなたは夜の顔です。あなたは朝の顔です。あなたは昼の顔です、という具合に。
これが私たちが望んだ進化した社会の姿か。
こんな社会を私たちは目指してきたのではないはずだ。
それともう一つ、この異常なまでのコンビニの増殖ぶりを見ていると、東北の放射能汚染食材の全国拡散の意図があるのでないかとさえ思えてくる。
そして、使われるのは、震災復興予算であるのかもしれないなどと勘ぐりたくなる。