ニイちゃん車を出る

[日記]

  

  ニイちゃん車を出る


猫は、いや、人間もかもしれない、ある時、突然、変わる。
車猫のニイちゃんに、2,3日前に車で餌をやった。いつもならそのまま餌を食べているのだが、帰ろうとするおれの後に付いてくる。ここはおまえのいる場所じゃない。家には怖いおねえさんネコのチビスケがいて、「ウー」とか[フー]と威嚇する。だから、な、ニイちゃん、いつもの車に帰ろう、といっても、知らん顔だ。馬耳、東風、猫の耳に東風。
車から出る時が来たと思ったのだろうか。なにかがニイちゃんを動かしている。そのなにかに従って、ニイちゃんは、ここから動かない。「考える猫」の風情さえある。
夕方になっても、夜になっても帰ろうとしない。しかたがない。カミさんと相談して、とりあえず、庭から続いている台所をニイちゃんに使ってもらうことにした。
カミさんの、ジグソーパズルをはめ込むような台所の片づけが始まった。
おれは車からトイレと餌を持ってきた。
今日で3日目。ニイちゃんは、台所を住みかとするようになった。
チビスケ姐は、ハンモック生活だ。