一週間に二枚のTシャツですむわけ

夏の暑い間はTシャツしか着ない。それも一週間で二枚と決めている。超省エネのくらしなのか、たんに無精なだけなのか、本人にも判断がつかない。おそらく、AかBかではなく、AもBもなのだと思う。無精者の省エネ、たんに無精者の口実、なんとでも言ってくれ。
週に一度、カミさんとすっかり恒例となった温泉に行く。帰ってから洗濯機を回す。ここで一週間が終わり、新しい一週間が始まる。おれは二枚のTシャツを洗濯機に放り込む。

こういうことだ。
温泉の後、持ってきた洗いざらしのTシャツを着る。しかし、それは三時間もすると汗で重くなる。そこで二枚目のTシャツの登場だ。汗で重くなったTシャツは、ハンガーに通して物干し竿にかける。やがて、二枚目のTシャツも汗でビショビショになるころ、先に干しておいたTシャツは乾いている。おれは二枚目のTシャツを脱いで、ハンガーに通し、物干し竿にかける・・・。結局、これを一週間繰り返す。
汗臭くなるだろう、って。ノン、ノン、マダム。火傷するような灼熱の夏の太陽は、脱臭し、殺菌までしてくれる。
「あんたにはひと夏に三枚のTシャツがあれば充分ね。毎日の二枚と、よそいきの一枚と」
カミさんから嫌みを言われる。
そうかね。おれはこの夏、三枚目のTシャツを着たことがない。