歳月


3月の彼岸の日に行われてきた「頌徳祭」が、来年30回を迎えるのだという。
30年前、天草に建設予定の火力発電所に抗議し、抗議のハンガーストライキ中に亡くなった松本豊秋という人がいた。当時、埼玉の1DKの公団住宅に住んでいたが、そんな遠方までも新聞はそれなりのスペースを割いて伝えた。


それからおよそ10年後に私たち家族は天草に帰った。


歳月とは何だろうと思う。


今年になって、アメリカのオバマ政権は、原発容認に大きく舵を切った。後を追うように日本の民主党政権も、「地球温暖化防止」の大義名分を掲げて原発推進を決めた。


今、原子力発電の有力候補地が、この天草である。


30年の歳月で、私たちは何を得、何を失ったのか…。