小説

圭太の島 1

圭太は跳ぶ。 圭太は跳ぶことが好きだ。歩くときでさえ、圭太は跳びあがるように歩く。 圭太が跳ぶ感覚を全身で味わうのは、山の頂上まで耕された段々畑の、上から下までを一気に跳んでおりるときだ。 海をのぞむ段々畑の、いちばん高いところから海にむかっ…