今年一年


 夏までのことはあまり印象にない。
 問題は夏だった。忘れもしない7月27日。その何日か前に大工さんが来て、雨漏りの修繕や雨どいの付け替えをやってくれ、裏山の雑木までも切ってくれた。
 後始末はぼくの仕事とばかりに勇んで片付けにかかった直後だった。手斧で切った小指ほどの小枝が右目を直撃した。
 目医者に行ったのは翌日。右目はかすんで、ほとんど見えない状態だった。それからお盆過ぎまでおよそ3週間、目医者に通った。
 この目で困ったことが起きた。11月に免許の更新だった。警察で係の女性が視力の検査をする。
「規則では0,7以上の視力がないとダメなんですが」という。ぼくの視力は0,6だと。
「右目を打撲したものだから。来週にでも、また、来てみます」
 ところが、次も同じ結果だった。
「二、三日して、また、来ます」と言って出ようとしたら、「あ、いいです」とくだんの女性。こうして、かろうじて免許の更新をパス。その右目は今も涙っぽくかすむ。

 災難はこれで終わらなかった。今度は忘れもしない8月27日。アナフィラキシーショック

 27日はやばいかも、と用心していたら9月以降は何事もなかった。

 こうして2017年が終わる。
 
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