春霞


写真は山から見た栖本町とその沖合。

空には薄い雲がかかっていて、遠くは夢の中の景色のように境界が薄れている。

遠くをトンビが飛んでいた。トンビの写真を撮る。その時、トンビのはるか後方に不思議なものが浮いているのを見つけた。



パラグライダーだ。近くの倉岳山頂付近にパラグライダーの愛好家たちが集まる場所があることは聞いていた。しかし、見るのは初めてだ。

この日は、小ヶ倉観音周辺のパトロールに来たのだった。
午前中に完全装備の密猟者が川に入っていた、との情報を受けた。いったんは立ち退いたものの再び来るかもしれない。車のナンバーは大阪だったと。大阪から来たのだったら簡単には帰らないだろう。必ずまたやってくるはずだ。

午後、別の車が目撃された。こんどは北九州ナンバーだ。窓越しに車をのぞくと、あるある、捕獲のための七つ道具がごちゃごちゃ積んである。

それにしても彼らの情報収集と執念には驚く。

     4月から5月の産卵がうまくいきますように。
     秋になって小さな個体が森へ帰れますように。

こちらは祈るしかない。