ネコを見ていて秋が来たことを知る。
朝晩が涼しくなった。それでも夜中の室温で26℃くらいだが、猫たちが俄然、食べるようになった。これから来る寒さに耐えるために食べるのだろう。まさに食欲の秋だ。
しかし、と思う。人間も動物なのだから、本来、寒さに備えて脂肪分を蓄えていたはずだ。江戸時代以前、明治・大正から昭和にかけて、私たちの祖先は食べることで寒さとともに生きてきた。ネコの食欲は、そのことを思い出させてくれる。

写真は、初めて三匹が並んで食べている光景。
ここまで来るのに40日かかったことになる。

それにしても、チビネコのマイペースぶりには驚く。
夜中、どこで過ごしているのか分からない。たまに足許に寝ていたりするが、長くはいない。朝になると、どこからともなく帰ってきてエサを食べる。与作と追いかけっこしていたかと思うと、ふといなくなる。
裏の連日酒盛りの酔っぱらいのところで何かもらっているようでもある。
「唯我独尊」、ある種の「悟りの境地」にあるようにも見える。

このチビネコに当惑しているのは、最近では与作だ。窓から外を見ては、たそがれている。かと思うと、人恋しくて、くっついてくる。
「ここはどこ? おれはだれ?」
与作の目はそう言っているようだ。
不定愁訴」という言葉がよぎった。

ネコとの暮らしもなかなか難しい。