語り

 占い師聞き書き

2019年になりました。 おめでとうございます。年頭からアベのウソの洗礼を受けてしまいましたが、お変わりありませんか。 まったく、ウソよけ帽子やウソよけコートが必携になりました。 でも、いましばらくの辛抱です。わたしの占いでは、遅くとも来年の3月…

 時間と時と

まもなく2018年が終わる。 地球が太陽を回る。一周して一年だ。 ぼくは、1951年の生まれだ。生まれて10年ほど経ったころに思った。「2000年までにまだ40年ある」と。 しかし、まもなく2019年になる。 それからしばらくして、明治維新から100年だと言われた。…

アリとキリギリス

生産性とか経済性とかに特に疑問を覚えるこの頃です。 思えば、生まれてこの方、ずっと 不器用でぎこちない生き方をしてきました。カミさんには、ほんとすまないと 思います。 今日は一日冷たい雨が降る寒い日で、軒下の作業場も使えません。 古い文章をひっ…

筋肉痛

昨日、苓北の哲ちゃんのビニールハウスの張り替えの手伝いをした。かまぼこ型のハウスは約70メートルの長さがあり、それが3つ連なっている。昨日は一日、ビニールを張る前の、かまぼこ型ハウスの鉄筋の上にいた。このところ、細かい手作業ばかりで、徹底…

ウソ、あるいは政治

約束には何の元手もいらない。 守る気がないから。 「なあ、ハラジイさん。海に行ってこーんな大きな魚を獲ってこようと思うんだけど、海へ行くのに100円貸してくれないかなあ」 「そんな大きな魚が100円とは安いもんだ。ほいよ、もってけ」 トオルは…

なんかな〜

最近、こんなものを作っている。 十一月に『大陶磁器展』があって、出店依頼があった。焼き物ではない。犬だか馬だかわからない竹で作った小物を売る。 以前は、陶磁器展とは別の場所でやっていたものを去年から同じ会場の空きスペースを利用してやっている…

暑気払い2

もう二週間以上も暑い日が続いている。 気象庁は、この異常な暑さも「災害」と認定したそうだ。 それにしても2年後のオリンピックはどうするつもりなのだろう。 「アンダーコントロール」と「快適な季節」の責任は、アベにとってもらわなくてはなるまい。 …

暑気払い

これを書いていた7・8年前も暑い夏だった。 ちょっと長いけど、お付き合いください。 レストラン・クロスケ 暑い。どこもかしこも暑い。 お天道様というのは、容赦を知らないらしい。港があり、フエリー乗り場があり、道路をはさんでパチンコ屋があり、交番…

草刈りの熊五郎

熊五郎は、草刈りを仕事としている。 村の年寄りたちは、自分で手入れできなくなった畑や山の草刈りを熊五郎に頼む。すると熊五郎は、背中に大きなノコギリを背負い、薙刀のような鎌をかついでやってくる。まったく熊五郎とはよくいったもので、顔中がもじゃ…

 ジョニーのいいわけ

♪ジョニーが来たなら 伝えてよ で始まる『ジョニーへの伝言』という歌、知っていますか。 高橋真梨子が歌っていました。歌から想像できる情景は、町外れの酒場。そこで彼女はジョニーを待っている。 「二人でこの町を出て行こう」 そう約束したのだ。 しかし…

暑い!

まさしく、うだるように熱い。 この山の家でも相当に暑い。 そういえば以前にも暑い日があって、あの時は『レストラン・クロスケ』を書いていたっけ。ここではなく、街中の家だった。 暑い。どこもかしこも暑い。 太陽ってえのは、容赦を知らないらしい。 港…

HEART OF THE SEA

〜海のこころ タコの兄ちゃんは、名前をロクといいます。 ロクは、のんびりやです。あるとき、みんなで海の中の大きな岩の上で昼寝していましたが、ロクが目を覚ますとだれもいません。それに、体中がひりひりと痛いのです。よく見ると、海水につかっていた…

十日月

月が次第に膨らみ始めると、なぜか見ている方も幸せな気分になる。明日の午後からは、雨の予報。明後日の午前中にかけて降り続く。満月を待つ大二の話を思い出した。2年前の話だ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『お月さんの復権』 こんばん…

ほめ殺しのよっちゃん番外編

ほめ殺しのよっちゃんの部屋には、石油ストーブが一つある。これが、よっちゃんの暖房のすべてだ。 ストーブの上にはやかんが二つ乗っている。一つのやかんは、お湯を飲むためで、もう一つの方は、湯たんぽ用のお湯だ。そう、よっちゃんはお湯を飲んでいる。…

たましいの時間

おい、若いの。昼間の時間がだいぶ短くなったな。ちゃんと仕事してるか。 俺は山の家で暮らして改めて考えたことがある。 それは時間ということと、一日ということだ。 若いの。お前さんは時間は無限にあると思っているだろう。たしかに、時間は無限に存在す…

  アカテガニの夢

川原の土手に棲むアカテガニでございます。 久々に雨が降りました。われらアカテガニは、雨に心が弾むのでございます。 川面に雨粒がはね、山は白くかすんで、その上を黒雲が覆って、遠くでドコドコドコと雷鳴が聞こえます。もう、じっとしておれません。土…

桜のつぼみが膨らんだ2

わたしは都会で瞑想の場所を探した。しかし、都会はどこも人であふれている。わたしはたった一つ、夜の公園を見つけた。人気のない夜の公園で、私はやっと一人になれた。 公園の端に砂場があり、その砂場を覆うようにコンクリート製の藤棚があった。わたしは…

桜のつぼみが膨らんだ

引っ越し荷物を片づけていたら、天草へ引っ越してくる前に、埼玉で書いていた原稿が出てきた。多分、25年くらい前になるか。 読み返してみたらそれなりに面白いじゃないか。二回に分けて掲載します。 ****************************************** 桜のつぼみ…

タコ焼き屋のおやじとの二人会話

海沿いのタコ焼き屋。 5,6歳くらいの女の子を連れた女性が立ち寄った。 「タコ焼きください」 女性はどこか都会風で、すましている。 「はい。いらっしゃい。ちょうど今、焼きあがったところで」 たこ焼き屋のおやじは女性に向かってニッと笑った。 「あ…

汁粉

八月も終わりに近づいてから雨が続くようになった。 それでも時々太陽が出ると暑かったのが、今日は一度も太陽は出ないで、午前中は土砂降り、午後はシトシトと降り続いた。気温が下がって、一日を通して25度だった。 それで、「汁粉」という話を思い出し…

クロスケ作品集

キョンキョンの話は、今回で区切ります。他にもキョンキョンが登場する話はあるのですが、それはまた、別の機会に回そうと思います。ここは希望的観測で、「またの機会」ということにしましょう。したがって『クロスケ作品集』に入るものは、『レストランク…

田舎暮らし

キョンキョンの話がまだ終わらない。 これが終わって、一冊の本と思っているのに困ったことだ。 カミさんには7月いっぱいといってある。しかし、7月はあと数日しかない。週末は苓北で環境会議の反省会と称しての飲み会があるし、日曜日は、講談の神田香織…

嗤う「風ネコ」

一気に夏の空がやってきた。 気温は夜になっても32℃。あまりに暑いので、扇風機にネコをぶら下げてみた。 するとどうだ。ネコはカタカタと嗤いだすではないか。 「2020年、東京でオリンピックだって。冗談じゃすまないぜ。どこから見ても醜悪な猿にし…

お月さんの復権

こんばんは。 今夜は満月です。窓の外を見てください。月の光で明るいでしょう。わたしのオヤジなどは、「今夜は月の夜だから提灯はいらない」、などと言っていたものです。ほら、上を見てください。すこうしかすんではいますが、オレンジ色のまん丸のお月さ…

キョンキョンとじいちゃん2

埼玉の団地を出るときは曇り空だった。公園のセミの鳴き声がうるさい。 池袋で山手線に乗り換えた。父さんと母さんは、どこか浮かない顔をしている。今日の空のようだ。シン子だけが新しいリュックを背負ってはしゃいでいる。 羽田も、やはり、曇っていた。 …

キョンキョンとじいちゃん1

キョンキョンの夏休み キョンキョンは、小学五年生だ。埼玉で公団の団地に住んでいる。父さんと母さんと小学一年生の妹の未新子(みじんこ)がいっしょだ。 キョンキョンは、京京と書く。だれもどう読むのか知らない。ほんとうは、京が二つで「ケイジ」と読…

現代死語辞典

【命の重さ】 かって、「人の命は地球より重い」といわれた。 今では風船のようにも軽いようだ。イラクやアフガニスタンでテロリストの命が空気よりも軽かったように。 そして日本では、福島をはじめ、東北から関東までの広い範囲で子どもたちは放射線の被曝…

 ネコの居酒屋

アンコとキナコがどうしてもと誘うから行ったのだが、どうも最初からいやな予感がしていた。 「いろいろとお世話になっています」と、アンコがきちんと前脚をそろえて言うものだから、ついうなずいてしまった。 「そうですよ。今夜はニャーと騒ぎましょう」 …

失くした帽子

5歳のころの写真と思います。あるいは4歳かも。昭和30年ころです。 写真でかぶっている、この帽子を失くしたのでした。失くした場所は、熊本市内の動物園。 当時、父親の母が健在で、出歩くのが好きなこの祖母は、いろんなところに出かけたものです。ぼ…

弁護士の品格

熊本市京町というところに熊本地方裁判所がある。裁判所正面は、権威の象徴としての赤レンガ造りになっていて、これから五十年もしたらレトロな「司法博物館」になりそうな代物だ。 その裁判所に行く機会がここ数年多くなった。 現在進行中の裁判は、熊本県…